小島に建つ奇跡の修道院
遺産名称 | 所在地 | 登録年 | 登録基準 |
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モン・サン・ミシェルと その湾
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フランス |
1979年 |
文化遺産 |
フランス北西部ノルマンディ地方にあるモン・サン・ミシェル湾。
その中にぽっかりと浮かぶ岩でできた全周約900mの小島。
そこに中世を代表する荘厳な要塞のような大修道院があります。
モン・サン・ミシェル湾はヨーロッパでも潮の干満の差が、
もっとも激しいと言われるところで、
多い時には15mもの差があり、
昔は命を落とした巡礼者もいるそうです。
この小島はもともとは、
先住民ケルト族のモン・トンプ(墓の山)
という聖地だったのですが、
708年にアヴランシュ司教のオペールが、
大天使ミカエルの「ここに聖堂を建てよ」
というお告げの夢をみて、
礼拝堂を建てたのが始まりとされています。
8世紀には大天使ミカエルを祀る
小さな礼拝堂が建てられています。
その後ノルマンディ公リチャード1世が
ベネディクト教会の修道院を建て、
その後この不安定な傾斜の上に、
地形に合わせた建物で増築を重ねていき
13世紀にはほぼ現在の形になったと言われています。
内部には、聖堂や回廊や広間などがあり、
中世を代表する巡礼地でしたが、
14世紀の百年戦争の際には、城塞として利用されたり、
18世紀のフランス革命の時には
一時封鎖され監獄として使用されたりしました。
ですが、1965年にミサが復活し現在にいたります。
主要はゴシック様式ですが、
ロマネスク、ルネサンスなど
さまざまな建築様式が融合してできたその美しさは、
「西洋の驚異」とも呼ばれ現在多くの観光客が訪れます。
1877年に道路がつながり行き来が便利になりましたが、
その影響で100年の間に2mほどの砂が堆積してしまい、
急激な陸地化が進んできたため、
景観を守る観点から、2008年に道路は壊され、
新しく2010年に橋が架けられる計画です。